助産所を世界無形文化遺産に『科学的根拠から考える 助産の本質』

おすすめ紹介
あやぱん
あやぱん

普段生活していたら
到底手に取ることはなかったであろう、
この本。

あゆもん
あゆもん

湘南助産師会主催のお産カーニバルというイベントで、
実行委員長の開催挨拶として
助産師さんと三砂ちづるさんへの愛を
駄々洩れしたところ、
齋藤助産院の方から読んでみたら、と手渡してもらったんだって。

あやぱん
あやぱん

とてもとても示唆深く、面白かったので、
簡単に内容をかみ砕いてシェアすると同時に、
お産に携わる方に、
是非ご覧いただけたら
、と思い、シェアします!

あゆもん
あゆもん

この本は
・お産にまつわる現場に携わる方
・助産師さんの学生
・助産師さん大好きな方
にぜひとも読んでいただきたいです!

あやぱん
あやぱん

概要としては、助産というものをあらゆる角度から見ています。
その役割・歴史・病院や助産所など、それぞれの場所によっての違いなど。

あゆもん
あゆもん

これからお産を迎える方にとっても
興味深い内容を
記事にまとめたって。
ご覧になってみてください♪

ここ面白!!日本の助産師の独自性について書かれている

日本の助産師の大きな特徴は
・正常な妊娠、出産、産褥、新生児には助産師だけで保健指導ができる
・医療行為は制限されている

欧米の助産師は
・助産師による分娩時の会陰切開、縫合を認めている

オランダ・アメリカ・カナダ・ニュージーランドでは
・経口避妊薬・子宮収縮剤を処方できる
→つまり中絶の補助が可能
(第2章『助産パラダイム』 野口真貴子/日本赤十字看護大学教授)

日本は上記のことを医療行為として制限するからこそ、
女性が本来持っている力を最大限に引き出すことに尽くしてきた
、んだそう。
結果、妊娠出産期の女性を支える力に長けているのですって。

また、日本の助産の本質として、
第6章『日本の助産と国際保健医療』( 加藤章子/前宮崎県立看護大学看護学部准教授)では

『妊娠中から産婦さんとの信頼関係を築き、
体と心の隅々にまで心を寄せて産める身体づくりをする。
お産になれば、女性が安心してお産に集中できる環境をつくる。
プライバシーを守られた環境でのお産は本能的なものとなり、
豊かなお産・感じるお産となり、それは母子の絆をつなぐ。(要約)』


と書いています。

あやぱん
あやぱん

素敵・・。

世界ではまだまだ、医療者によりさげすまされたり、
無視されたり、放っておかれたり、というケースも多いそう。
これは、日本でも、ところによって見聞きする話ですね。

ここで泣き寝入りするのではなく、
助産の本質について理解していると
産婦さんはお産時、
もっと素直に気楽に
助産師さんや医療者に
『助けて』『○○してほしい』
が言えるような気がします。

ここ面白!!お産の本質について書かれている

冒頭、とある助産教員が試験の回答について、シェアします。
問:「分娩の三要素をかけ」
正解:「娩出力・産道・娩出物」
生徒の回答:「やる気、勇気、元気」

これは間違いなんだけど、
一概に間違いとは言えないね、
そんな話から、「やる気、勇気、元気」なお産について語る
この本ができたそうです。

あやぱん
あやぱん

「やる気、勇気、元気」
シンプルでなんだか俄然力が湧いてくる言葉!


そして、コラム『お産の本質とは何か』(宋祥子/松が丘助産院院長)では、
陣痛~出産をとおして女性は”野生に入り込む”と表現されています。

『自分でも予期しなかった
すさまじいエネルギーと、
叫び声・うめき声
が身体の奥底から湧いてくる。

ひとによってはその野生の力にたじろぎ
発揮することをためらう人がいる。
そこで少し手を貸すのが助産師である。

この瞬間、世界が1つにつながり、
自らが自然の一部だと感じる素晴らしい瞬間を
体感する。(要約)』

あやぱん
あやぱん

・・こんなお産、体感したーーーい!!

話しの中では、
自然出産の最中に体感するとされていますが
いろんな方のお産の聞き取るにつけ
必ずしも自然出産でなければ
この状態にはならない、と
言えないと感じています。

野生ではないかもしれないけれども、
全体と一体感を感じるお産は、
その方の心持次第。
とはいえ、
寄り添ってくれる人の有無、
安心できる環境であること、それは
大事なポイントのように感じます。

ここ面白!!女性は一人で産める 定説を覆す記録について書かれている

“女性は1人で産める”
あれ、助産師の話じゃなかったっけ?となりそうですが・・

東京都の青ヶ島では1970年代まで、
習俗として仮親の立場の年上の女性が
お産に付き添い(というか、産屋の外で見まもり)、
助産師・医師の介添えなく、
お産をされていた、その模様についての記載があります。
(第5章『青ヶ島から考える伝統的な出産介助者の役割』
  松本亜紀/一般社団法人倫理研究所倫理文化研究センター専門研究員)。

産婦も仮親も
一人で産んだとしか感じていない。
なぜなら排泄と同じくらいに自然の行為、
だから、「お産は一人でするものでしょ」、
という話なんだそう。

ですが、
この仮親の産婦への寄り添い方が
前述した『日本のお産の本質』に通じているんです。

このお産が可能になる背景には
産婦と仮親の関係含め、
たくさんの積み重ねがあります。

あやぱん
あやぱん

こちら‥実は!!
直接、松本亜紀さんに
お会いしてお話聴けたんですーーー!!!

実際の聞き取りの時の様子を含め、
貴重なお話しになりますので、
また別にシェアしますね。

目次・著者一覧

【人間の生理学的プロセスを重視した助産とは何か】
助産師が母子にとって最良の助産ケアを提供するためには、
「助産の本質」を自らの軸としてもつことが重要である。
本書では、
疫学、助産、母性保健、国際保健医療、民俗学を専門とする筆者らが
科学的根拠をもって「助産の本質」を明らかにしています。

目次

第1章 助産と科学的根拠/三砂ちづる
第2章 助産パラダイム/野口真貴子
第3章 生活の場としての助産所/竹原健二
第4章 病院での助産の本質/川上桂子
第5章 青ヶ島から考える伝統的な出産介助者の役割/松本亜紀
第6章 日本の助産と国際保健医療/加藤章子
第7章 助産師教育の本質とこれから/笹川恵美
第8章 なぜいま、助産なのか/三砂ちづる

資料
助産をめぐる主な出来事/笹川恵美、春名めぐみ

コラム
切れ目のない関わりを実現する開業助産所/左古かず子
With Woman/信友智子
永遠に続く産む性を支える/矢島床子
助産師の理念とその本質/松﨑政代
助産師から養護教諭へ/鈴木雅子
対象に関心を寄せ、人間の尊厳を守る/小山内泰代
世界の女性と助産師が進む道づくり/新福洋子
産後ケアの地平/福島富士子
お産の本質とは何か/宗 祥子

編集は三砂ちづるさん。

母子保健プロジェクト三砂ちづる(みさご・ちづる)先生
専門は母性保健・疫学。津田塾大学教授多文化・国際協力学科教授。1981年京都薬科大学卒業。薬剤師として働く傍ら、神戸大学経済学部(第二課程)、琉球大学保健学研究科修士課程卒業。1999年ロンドン大学Ph.D.(疫学)。ロンドン大学衛生熱帯医学院研究員、JICAブラジル家族計画・母子保健プロジェクト、国立公衆衛生院疫学部勤務を経て、2004年より津田塾大学国際関係学科教授、2019年より現職。

三砂ちづるさんの代表的な著書

↑この本、ご存じの方も多いと思います。
出版当時、賛否両論やら何かと話題になった気が。
わたしはこの本がお産の神秘に触れたスタートでした。

↑おむつなし育児についての本。
わたしもやったおむつなし育児、三砂ちづるさんはおむつなし育児研究所の顧問でもあります。

↑講演会の内容を本に編集したもので、非常に読みやすいです。
家で産まれて、家で死ぬこと、場所の選択、
生死の尊厳について。
また、地域で子どもが育つということなど
誕生から子育て、死まで。わたし達が選ぶ、ということについて
考えさせられます。

まとめ

あやぱん
あやぱん

いかがでしたでしょうか、
助産の本質!!気になったかたは是非お手に取ってみてくださいね!

あやぱん
あやぱん

日本の助産師制度・助産院って素敵だなぁって改めて感じますよ!
(文中でも、タイトルにあげたように、世界でも稀有な形態を保った助産所を
世界無形文化遺産にしたいくらいだ、という話もあります)

あゆもん
あゆもん

専門的な文章も多いので、
やはり現場に立つ方、これから助産師さんを志す方などに
向けた本だと思うけど、ご参考までに。

あやぱん
あやぱん

お産の本質や、一体感を感じるお産などについては、
上に紹介している本、
『オニババ化する女たち』
でも触れていてとても面白いですよ♪

あゆもん
あゆもん

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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