・おやこの居場所づくりをされているまきこさん、きっかけは帝王切開。
・自分の感覚を大切にする帝王切開。
・本能で動く。
24歳第1子(長女/子ども3人)帝王切開
29歳第2子(長男/子ども3人)帝王切開
32歳第3子(次男/子ども3人)帝王切開
神奈川県 いまいまきこさん(産前産後おやこのひろばWithMom主宰)
赤ちゃんが出来た!その時の気持ちは?
帝王切開を2度しているので、
3回目はリスクがあるなあ、、と考えたりしました。
ちょうど会社勤めをやめ
好きなお店でパートとして働いていた1年目の時のこと。
2人目までは英会話スクールで
産休育休も取ってワーママとして働いてきましたが、
この妊娠をきっかけに
完全に家に入るんだろうな、
ということを思いました。
このタイミングでできたことに
びっくりもしていましたが、
「3人目ができたら嬉しい」って周りには
すごいアピールしていたみたいで(笑)
来るものが来た、という感じでした。
このときの妊娠は、体への負担が一番ありましたね。
初産並みに、いろんなことが不安になった時期でした。
妊娠がわかると、
気になって早く病院へ
行ってしまったり、
胎嚢が見えなくて、
見えるまで何回も
病院に行ったり。
お腹が痛くなって休日診療まで行っちゃったり。
結局、仕事は妊娠5ヶ月の年末に退職しました。
それまで気を張っていたのでしょうか、
やめた途端一気にお腹が出てきました。
妊婦になって OK と身体に許可をだしたんでしょうね。
身体が妊婦になって、やっと心が落ち着きました。
同僚の流産とわたしの妊娠
実は、職場で
わたしが辞めるちょっと前に、
同僚の方の流産がわかりました。
不妊治療をされていた方で
妊娠!となり、みんなも喜んで、
わたしも妊娠が分かった矢先、
その方は流産をされてしまいました。
その方は第一子で割と早めに仕事を辞めていたんですけど、、
すごく傷が残るものだったろうな、、
と、想像するしかできないんですけど、、。
わたしが動きづらくなってきた時には、
バイトのヘルプに入ってくれたりしていて、、
どう接したらいいかな、、
と思うこともありました、
そのことがあったので、
妊娠は当たり前じゃないな、と。
今まで順調なパターンしか知らず
安全に生まれてくるものだと思っていた、
不妊治療を受けなくても済んでいたし、、
でも、これ以降
絶対大丈夫だよねって話ではないよね、
と感じるようになりました。
たとえ短い命になっちゃったとしても、
来てくれたことに変わりはない。
その命について語り合う場が必要だな、って
思うようになりました。
帝王切開、したい出産を諦めない
計画分娩からの緊急帝王切開となった1人目のお産は、
壮絶な体験でした。
自分がもっと身体や赤ちゃんと向き合っていたら、、
まさか自分が帝王切開になるなんて、、
自分のチカラで産めなかったんだ。
と落ち込みましたが、
「帝王切開はドクターにおまかせではないよ。」
3人目のお産を前に、岸本玲子さんという助産師さんから聞いた話です。
「帝王切開も、ちゃんと自分らしく産めるんだよ。
帝王切開でもオッケーだよ。」
この言葉のお影で、
すごくポジティブにお産に挑むことができました。
だめでもともとで、
したいこと不安に思ってることを言ってみる。
そしてそれを聞いてくれる、
を体験しました。
例えば、わたしは総合病院で、帝王切開と決まっているお産でも
もっと助産師さんと密に関わりたかった。
信頼できる助産師さんと一緒に思いっきり妊娠期間を味わってみたかった。
助産院にあこがれていたんですよね。
そこで近くの助産院に行って、
「健診だけでも助産院でみてもらえませんか?」
と相談してみましたが、
「気持ちはすごく分かるんだけど、叶えられずごめんね」というお返事。というお返事。
助産師さんの中には、
LMC制度※を取り入れている方達もいらっしゃっていて、
そういう方々は一人の妊婦さんに
ちゃんと伴走している。
そんな助産師さんがもっと増えてくれるといいなと思っています。
LMC制度 えるえむしーせいど
LMCとは、妊娠から出産・産後にかけて継続してケアを提供する助産師や産科医で、ニュージーランドのマタニティケア制度をモデルにしています。具体的には、妊娠初期からの妊婦健診、陣痛中の付き添い、お産の介助、産後のケアを、女性のニーズに合わせて行います。リスクの程度や出産場所に関わらず、必要に応じて様々な専門家と連携しながら一貫してケアを提供します。
詳しくは→出産ケア政策会議
LMC制度(My助産師制度)について書かれた当HP記事
病院ではデータしか見てないような、
毎回流れ作業的におわる健診に
あったかみを感じられなくて。
本当にこの人、わたしのことわかってるのかな?
あまりにとんちんかんなことを言う先生が信用できないなぁと思い、
思いきって「ほかの先生に変えてもらいたいです!」
と助産師さんに言うことができました。
(3人目の妊娠なのに初産婦のように扱われた)
これができたのも、2回のお産を経て、
自分の感覚を大切にするって学んできたから、
細かいことを聞こう、
嫌なことはちゃんと確認していこう、
不安なことをちゃんと確認していこう、
ができたんですよね。
手術の前に麻酔科医さん、
助産師さん、
オペ室の人、、
わたしの気持ちを細かく聞いてくれました。
「怖い怖い、でも1人で全部乗り越えなきゃ!」
と思っていたら、
そうはならなかったと思います。
それまでは、優等生でいようとしていたんだと思う。
思いっきり迷惑かけていいんだ、
生い立ちや、気質、性格、、
いろんなことがあいまって、
いつでも言葉を飲み込んでしまう、
これが自分と思い込んでいたけれど、
そうじゃなくていいんだ、
と思えた、実践できたお産でした。
産後の気持ち
写真は産んだ次の日、
初めて抱っこした時の写真です。
赤ちゃん、新生児室から出て来られなかったんですよね。
わたしはわたしで起き上がれなかった。
産んで丸1日ほど、顔を合わせることや
近くに連れてきてもらうこともできなかったんです。
でも、本能的に、赤ちゃんに会いたい、会いたいって
なっていました。
看護師さんにも「会いたい」って伝えていたけど、
伝わってなかったのか、、
なかなか会えなくって。
術後やっとこさ起き上がって、
まずはトイレまで歩行してみましょう、
というタイミングで、
「赤ちゃんにもどうしても会いに行きたい!顔が見たい!」と伝えて、
やっと抱っこして、やっと会えた。
助産師さんが撮ってくれた一枚です。
本能で動いていました。
本当だったら、
生まれた時にほっぺをくっつけて
赤ちゃんと写真を撮りたかったなという思いが残っていました。
そこには不安と寂しさがありました。
手術の後はすぐに寝てしまっていて、
色々繋がれてるし、
目が覚めて「会いたいんだけど」、
と言っても会えなくって、、
これはもう会うしかないでしょ!!
写真でもわかるとおり、
めっちゃ見つめられている !!
すごく泣いていて、
「会いたかったよ」って伝わってきました。
ごめんごめんっていう気持ちと、
感動で泣きました。
お互いに、すごく求めていたなーって。
その後は新生児室に入って「しばらくいてもいいですか」って言って
助産師さんの近くにいました。
しばらく抱っこして戻ろうかなーって
立ち上がったら一気にふらあって来て、
結果車椅子で返されました(笑)
当時の自分にかける言葉
自分の気持ちに従えて、
不安を口にしたり、
自分の気持ちを一番大事にして、
よかったね。
妊娠期間にみんなそれぞれ妊婦を味わう。
そのために信頼できる人につながって、
十月十日、
自分に向き合う時間を大事にして欲しい。
そうなるといいよねって思っています。
お母さん自身が
それに気づき合うような場所が欲しいな。
自分の気持ちがのっていない、
自分の気持ちが置いてけぼりのままだった場合もそこに気づけたらいいな。
普通、帝王切開を希望することってないですよね。
希望したわけじゃないけど、
納得するまでの時間が大事。
すぐポジティブになれる、
ならないといけない、
わけじゃないよね。
どんな感情も大切にしたい。
その方のタイミング、
その時の気持ちがある。
1回だけじゃなく、
思いを言葉にする、
人に話して振り返る。
何回でもやったらいいよねって思います。
消化しきれていないものに意味がある
1人目の帝王切開。
消化しきれてないものの中に
意味があるぞ、
という気持ちがありました。
落ち込み続けようと思えば、そうできるんだけど、
どこかネタにしたいと言うか、、笑
ずっとうずくまっていたいわけじゃない、
という気持ちがありました。
Umiのいえ※のワークショップで、
細田恭子さん※のカウンセリングの会に
参加した時、そういうことをしたいと
感じるようになったんですね。
NPO法人 Umiのいえ
いのち・こころ・からだ・くらしの学びあいの場。出産子育て、食、健康、住まい、心、親子、遊び、文化、支援など いのちにつながるあらゆる講座やワークショップ、語り合いの場を企画開催。Umiのいえは子どもと自分を大切にする知恵を学び、体験する場を作っていきます。
所在地や詳しい情報はこちらから。
細田恭子 ほそだやすこ
「大切なのは産み方よりも育て方」
自身の2度の流産や3回の帝王切開体験を綴ったWEBサイト「くもといっしょに」を2000年に開設。帝王切開カウンセラーとして帝王切開ママのお産の振り返りや帝王切開講座を開催しています。
Umiのいえの方に話を聞いてもらって
学びを深めてから、
そういう会をやっていこうと思いました。
2人目出産から3人目の出産時期が
学びを深めていった時間。
はじめは、地域に興味を持ち行政主催の「地域づくり講座」を学びました。
住んでる地域には児童館がないんですよね。
なので地域づくりとして子どもの居場所づくりをしたり。
地域の人と関われる居場所を作りたいと思っていたのが、
3人目の妊娠で一瞬ストップ。
そして、
3人目の産後、お母さんがつながる場づくりがしたいという思いが芽生えました。
子どもには親がいて、
お母さん達は繋がっているのが必要。
子ども同士は勝手に仲良くなる。
でも、お母さん達が繋がっていない。
そんなケースが多い気がして、
そういう居場所を必要としているのは
お母さんだな、
お母さんにとっての安心が得られる場所、
産前産後の親子の居場所が欲しい。
そうかんじるようになりました。
自分のことを見つめる って大事ですよね。
この時間が1~2年くらいあって
そこから《産前産後おやこのひろばWithMom》の立ち上げへと
繋がっていきました。
いきなりやりたいことをみんな見つけられるわけじゃなくて、、
見つからない時は焦るんだけど、
地味なんだけど、、
自分を深掘りする時間が、大事ですよね。
人生で経験してきたことが必ず、
点と点になって繋がっていく感覚があります。
いまいまきこさんてこんなかた
☺︎子育てはみんなで!親子でゆっくり育ち合おう☺︎
🌿産前産後おやこのひろばWithMom@横浜磯子
🫶ママと子育て支援者のご縁つなぎ《全国つなぐ∞わ》運営 @_tsunagu_wa_
🌏 人と生き物が共に暮らすことができる優しい惑星《MiraPla》運営 @mirapla.official
編集者より一言
いまいまきこさんは、1年前の茅ヶ崎のお産カーニバル『助産院のお産』展で初めてお会いして、そこから展覧会を観ていただいたり、ずっとつながりがありました。
産前産後のお母さんの居場所づくりをされているのも知っていて、
それとご自身の帝王切開の経験が繋がっていると聞き、
以前からお話を伺ってみたかった一人でした。
自分の気持ちを大切にして、受け入れてもらうを経験したこと。
それは、うまくいく時もあればいかない時もある。
でも、その自分が自分の気持ちを大切にしたことで
自分を大切に思う心ができて、自分を信じられるようになる、
そんな大切な心の流れを聴かせていただきました。
これからのまきこさんの活動も楽しみにしています!
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。
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