出産体験談№.51 人生の終わりだと思ったら愛の始まりだったお産

病院出産
この記事の見どころ

・虐待されてきた体験と、子どもを産むことへの葛藤。
・母親との和解。
・自己受容へ至る長い道のりに涙が止まりません。

29歳第1子(長女/子ども1人)
病院出産・帝王切開・早産 茨城県 みかんさん(仮名)

赤ちゃんが出来た!その時の気持ちは?

みかん<br>さん
みかん
さん

今までで
一番怖かったことは、実は
娘を身ごもった時です。

ちょっとさかのぼりますがわたしは
幼少期に母に虐待されて片耳が聞こえなくなり
父方の祖父母に育ててもらいました。

打たれる!

けとばされる!

ビンタされる!

怖さがいつもあったのです。

でも、幸い手術で片耳は 
聞こえるようになり
祖父母は いつも優しくて 
すごーく穏やかに生活できていました。

高校2年で育ての祖母がガンで亡くなり
両親と同居することになりましたが 
すごいギクシャクした日々でした。

「みかんは本当に大バカね―、
運動神経もニブイし成績もわるくて 
どっちかできてもいいもんなのに‼️」とか
 
顔を合わせると何か言われる日々。

まあ、殴られないだけいいんだよな―、と
思ってました。

中学の時の男子にいじめられたことがあり
絶対結婚しないで、一生独身だって
決めてました。

それが何故か今の夫と出会って
こうしたら
あきらめるだろうと 
いろんな嫌みな女になって 
夫に「結婚しないから!」
と抵抗してましたが 
ついに結婚してしまいました  笑

その時、母でさえ嫌っていた
こんな冴えない暗子?の、
わたしのことを心から全身で
愛してくれる人はこの人だけ‼️と思ってました。

当然? 
結婚 イコール 子どもの話が出てきた時、焦りました。

そうか‼️結婚したら
子どもってなるんだった‼️
ギャーーー嫌だいやだ嫌だ‼️

子ども 産みたくないよ‼️

でも産みたくない なんて言ったら

せっかくこんなに
はじめて大切にしてくれる夫に離婚されちゃうな〰️

やはり一人ぐらいは仕方ないのかな―、


産む怖さもありましたが 
何より怖さが際立ったのは  
もし女の子だったら
夫をとられちゃう‼️って 思っていました。


わたしは特に ほんとうにほんとうに恥ずかしいのですが、
主人以外と付き合いがなくてレズじゃないですけど、男性はみんな敵‼️

絶対 私のこと 嫌いに決まっているっていうのが
根本的にあって 絶対 独身で通す‼️って想いを 
ぶち壊して来てくれたのが夫だったのですよ、

はじめて祖父母以外で自分のことを、
真剣に思ってくれる夫と 
結婚できたのはよかったのですが 

子ども、子どもって言う夫に
絶対とられちゃって
わたしのこと

忘れちゃうか 
家政婦みたいになっちゃうという 

醜い嫉妬があったからでした。

妊娠してひどいつわりになり、
気分も最悪でした。

望んでない赤ちゃんをお腹に宿しているのに作り笑顔で  
「ママになるのが楽しみ~」と
大うそついて
嬉しいフリをしていたので毎日うんざりでした。

嬉しさの一滴もないのに
喜んでいるふり、 
赤ちゃんが産まれてくることが楽しみなふりを
していました。

家に戻ってひとりになると(つわりじゃなくて)
自分のうそぶりにゲロ吐きそうになってました。

わたしがおかしいんだから 
わたしが変わっているの
夫に 嫌だって 悟られちゃったら

もう終わり!ぐらい思っていました。

お産のリアル第1子 

みかん<br>さん
みかん
さん

切迫早産で入院、帝王切開をすることに。

そうこうしていて予定日の約3カ月前に
ちょっと違和感があり 
毎月の検診日を早めに行くと

切迫早産なので 即入院して下さい!」といわれ

入院。

せめて 
出産までは 
やりたいことがあったのに と 
またまたうんざり どんより。

そしたら 
予定日の約2カ月前、破水してしまい
数日間は まだ小さかったので様子を見てましたが
娘が危険になり 
緊急帝王切開で産まれました。

1,400グラムでした。
保育器に2ヶ月以上入ってました。

ダウン症とか 
知能遅れ、
未熟児網膜症もなくて 
こちらはホッとしました。

緊急帝王切開手術で 
なんと 
1800グラム(娘より大きい‼️)の 
筋腫モドキがあり
出血が落ち着いていたので 
いっしょに取り出してくださったのですが 
そこで
それまで止まっていた出血が 
一気に出てきたらしく 
命の危険にもなったそうです。

でも 
毎月検診していて 
どうしてその筋腫モドキが見つからなかった?


医師が 
その説明に手術室から出てきたら

母「そんなの検診でわかるでしょう?
みかんが死んだら訴えてやるから‼️ 

お願いだから

助けて!

もうね 赤ん坊はいいのよ みかんがたすかれば‼️」

夫「そう医師に、食ってかかっていてね―、
いやあ
俺も 死なれちゃ嫌だし まずい‼️って
思ったけど、お母さん すごかったよ‼️ 

小さなころ みかんを虐待した話も
聞いていたけどね、 
お母さん、
医師にも食ってかかるくらい 性格が熱い人だから
お母さんと性格が正反対の 
みかんをイライラして 
ついぶってしまっては 
落ち込んだっていうのも聞けてさ、

みかんはわたしは母にも嫌われている人間だからって言うけど
本当は愛していたんじゃないかなあと思ったよ
」と 

何度も何度も言ってくれていました。

現在は 
素直にそう思っています。 

産んだ後の感想

みかん<br>さん
みかん
さん

産まれたのが女の子だったことにわたしは大ショックで
もう 人生は終わり・・と
思ったのを よく覚えています。

そして産後ひどいうつ病になりました。

でもその時 
母が 
とても娘のことをよくみてくれました。

娘が小学校高学年になるころには 
わたしも 
良い時と悪いときの波のあったうつ病から
きっぱり卒業できました。

そして、娘は 
わたしの母の性格にかなり似ていて
中身も外見も 
全くわたしと 合うところって
ないかも?ぐらいの違いがあります。

性のこと 子宮のこと 膣のこと。

もっと早くわかっていたら 
女性は存在そのものが愛で
性は 
生きるパワーとして輝きをはなっている、
女性は 
産みだし能力?に長けていると
わかっていたら って思うのです。

娘とも 性格が全く正反対なのですが 
きちんと性のことも 
伝えていけるようにしていきたいなと思ってます。

数年前からは 
母に頻繁に手書きの手紙を送っています。
今年からは 
電話もしてます。
母親は、直系の先祖なので 
母とうまくいくようになると 
自分否定の壁が溶けて
薄くなってきているなとは思います。

わたしを救ってくれた助産師さんの言葉

みかん<br>さん
みかん
さん

出産から2か月後、退院してまもなく
夫が娘にデレデレな姿に 
パニックになって過呼吸で 
病院に戻ることに。

落ち着いてから助産婦さんに 

はじめて自分を愛してくれたから
赤ちゃんにやきもち焼いてしまって
」  

と、涙して話したら
夫がしばらくしてはいってきて

「みかん、 母親になったんだよ!
母親が自分の子どもにやきもちやくなんて おかしいだろ‼️」

そう、いわれて 

「ああ、やっぱりわたし、おかしいんだ
だから 母にも男子にも 嫌われてきたんだな」って 
真っ暗になりました。

そこで 助産婦さんが

はあ!ちょっとさあ
みかんさん、
ママになってもまだ焼きもちやくくらい 
パパのこと愛してるって 女だよ‼️
おかしいって言うパパがおかしい‼️

あのね 子ども 産んじゃうと

旦那が鬱陶しい!ってひと 多いの、
それを焼きもちやくくらい 女性でいるって
すごいとわたしは思うなあ‼️


って言ってくれて

夫も 「あっそうなのか」 
って思ってくれたらしく
とりあえず 収まりました。

結局わたしは 
うつ病になってしまいましたが
このときの助産婦さんには 
ほんとうに救われました‼️ 

当時の自分にかける言葉

みかん<br>さん
みかん
さん

この終わり(娘を産んだこと)と思うことは  
愛 を知る始まりなんだよ~

答え合わせは何十年後に

みかん<br>さん
みかん
さん

自分は おかしいと思ってきたけれど、 
おかしくてもよかったんだ 
あの時の最高の選択だったと
矢印が変われたこと ほんとうに感無量です。

周りの若いママさんたち、
スーパーで見かけますと
たいてい 早くしなさーいとか
言ってますよね。

ママさんたち、
自分の親もその時の環境や感情での言動ですけど 
どんな悪態でもそれが
その時の 最高の選択だった
とわたしは思えました。

答え合わせはあとから  
何十年後ってこともあるのですね。


編集者より一言

※今回の記事は、
劍持奈央さんが主催される
『時を超えるサウンドアート』 にてご一緒した
みかんさんの投稿をベースに、
やり取りしながら記事をつくりました。
みかんさんの自己受容のプロセスはご本人の
変化と向き合ってきた時間と、
奈央さんのイベントでご自身と向き合われたゆえのこと。

本来なら、クローズの場所での
投稿なのですが、
初めてみかんさんの投稿を読んだとき、
沢山のお母さんを救ってくれる文章だと感じて、
「シェアさせてください」、
とお願いいたしました。

みかんさん、奈央さん、ご快諾ありがとうございます。
そして、みかんさん、この力強いプロセスのシェア、
本当にありがとうございました。

あやぱん
あやぱん

劍持奈央さんは、性とお産のことを発信されています。
奈央さんの著書、考え方について、
おすすめ『大人のための性教育』にてご紹介予定!
お楽しみに!

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