新着公開:出産体験談№96 大冒険!痛くても怖くても、おもわずにやけちゃうお産

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この記事の見どころ

・母のハッピーな子育てが、子どもっていいな、につながっている
・なんて尊い存在を産んだんだろう、なんてわたしは尊い存在なんだろう!!
・世界中の人が産みに来る助産院で感じたこと

28歳第1子(長男/子ども1人)病院出産

秋田県 八嶋美恵子さん

記事は、インタビューをした方の話を編集者(さとうあや)が、編集して記録しています。
出来るだけ話者の言葉を大切にしていますが、一部、編集上の言い換えや表現の変更などがあります。話者と編集者の共同記事としてご覧ください。

赤ちゃんが出来た!その時の気持ちは?

美恵子さん
美恵子さん

びっくり!
嬉しい!

身ごもったのは27歳。

結婚して1年、
赤ちゃんが来たら嬉しいけれど、
そんなに簡単に来てくれるものではないよね
と思っていたら、、来てくれたことがわかり、

とても嬉しかったです。

面白い偶然があって、
まだ妊娠したことに気づいてなかった時、
わたしと夫と、
その道の達人のおじいちゃんとの3人で、 
前々から行こうと約束していた野鳥の観察会に行ったんですね。
そこは、桃洞の滝といって、
安産や子宝の滝といわれている場所があるんですが、
途中からなぜかわたしの足が動かなくなって。
いくら健脚とはいえ、70代の方についていけなくなる!
変な気分になって、
これ一体どういうことなんだろう??

ふと気になって、
「もしかしたら?」と半信半疑で
妊娠検査薬を試してみたら、、
「陽性」の欄にうっすらと線がはいり、
もうびっくり!



妊娠出産にまつわる自然の場所で
そのことに気がついたというのが
今でもなんだか、不思議に感じています。

▶桃洞溪谷(とうどうけいこく)
容姿から別名女滝と呼ばれ安産、子宝、縁結の滝として親しまれています。

お産のイメージ

美恵子さん
美恵子さん

ちっちゃい頃から
わたしも赤ちゃんを産んでみたい!
という強い憧れがありました。

幼稚園の頃から「お母さんごっこ」でお腹に人形をいれてみるくらい(笑)

出産は、最後は「やるしかない!」という感じ!
宇宙旅行に行ったつもり、
一旦命を手放して、生き返るようなつもり!ですね。


わたし自身は一人っ子です。
わたしの母は
わたしの出産まで30時間以上かかり、途中で
母子ともに感染症をおこし、「もう帝王切開だ!」と麻酔もかけて準備をしていた時に、
下からツルンとうまれたと聞きました。

母は父の転勤先のシカゴでの出産、育児からスタートで
もちろん大変だったことも沢山あると思いますけれど
子育てそのものは、ものすごーーくハッピーに
「大変」とは言わずに、大切に、楽しんで
育てもらったので、、

 
子どもっていいな、可愛いんだろうなっていうイメージが
あったんだと思います。

お産のリアル第1子 尊い存在を産むわたしも、尊い

美恵子さん
美恵子さん

48時間かかりましたー!!

本当に痛かったのは、
最後の10時間。

産んだ後は体が疲弊して、ベッドの上で身動きがとれないくらい!

そして、、
ものすごい尊い存在、
産んじゃった!!
と、ものすごく感動しました。

言ってしまえば、
産後すぐは、表面的な自分の身体は、
「素敵」とはいえない状態。

産毛も生えて、
汗だらけ、
髪の毛だってボロボロに乱れてい。


それでもなお、出産直後、
色々な処置が終わり2時間ほど分娩室で一人休んでいた時がとても豊かな時間でした。

なんて 尊い存在をわたしは産んだんだろう 、
そんなわたしも、なんて尊い存在なんだろう、
生きてるって何てすごいことなんだろう!!



1、2時間 起き上がれずにいる間も、
感動の渦に巻き込まれていました。

子どもが誕生してくれたことにも感動しましたが、
同時に、同じくらい自分という存在にも感動していたんです(笑)


お産の始まりは家にいた時。
5時半ぐらいにトイレに行こうかな、
と思ったそのタイミングで破水。
予定日の5日前で、
母も助けに来てくれている時でした。

夫は内科医なのですが、まだ家にいる時間だったので、まずは車の雪下ろしをして、
安全運転で
車で40分ぐらいかかる病院まで送ってくれました。


これはもうお産、始まるでしょう!
明日には産まれるかな。
もしかしたら自分の命と引き換えかもしれない大仕事。

でも、人生の大きなチャレンジだ!と、大冒険の旅にでるような、武者震いするようなゾクゾク、ワクワク。未知のことで怖いのに、思わずにやけてしまうような。(笑)

そんな自分の体感に不思議な気分でした。(笑)

わたしは昔から呼吸法を自己流で練習していたので、
陣痛を迎えに行こう、
もっと痛くなってもいいよ、
痛みのなかに突入するぞー!
それを感じ切るぞー!

って思ってました。
2月7日の朝は夫がつくってくれたおにぎりを、
昼夜は、病院の食事を美味しく食べたけれど
7日夜くらいから少しずつ耐えるのが大変な痛みがくるようになって。

それでも少しは寝られていました。

でも、8日の朝になって、すごく痛い中、
歩いて診察室に行き内診してもらったら、
「順調に進んでいるから自然に任せよう、まだまだ生まれないよ~」と言われて。(笑)


「2月9日の夜までかかるかも、、。」
と言われたときは、もう明日のことを考えるのはやめようと思いました。(笑)
8日の夕方からは、一晩中痛くて。

夫と母は近所のホテルに泊まっていました。
2人と交互に電話をしていて、
陣痛が来ると話せなくなって、
無言電話。(笑)
明け方の3時頃までは電話してましたが、
痛みが強くなり、電話は終了。

このままだと失神しちゃうかも!
陣痛のがしの、吐いて~のタイミングで、
うわーって大きな声を出しました。

陣痛の合間は、
夜までやってたらもたない!
死ぬかも!
もっとこう
視点をたかーく飛ばして、自分を外から見るように感じてみよう、と。

そうは言っても、痛みの波が強くて「うわーー--」と声を出しながら、
勝手にお尻に力がはいって、
40回ぐらい、自然といきんでしまった!。
いきんだら、赤ちゃんが
苦しいと思って、「ごめんー---」と言いながら。

でも、助産師さんは怒ったりはせず、
「うんうん。いきんでもいいから、息をはいてね」と言ってくれたので、
「うわー----」と言いながら息を吐きまくっていたので、
赤ちゃんの心拍は安定していました。(笑)


子宮口が5cmの頃から
いきんでしまっていました。
それから、あまりにもわたしが大騒ぎなので、
内診をしてもらうと、なんと「頭が出ている!」
となり緊急コール。

そこからいきなり先生などいろんな人が5~6人集まって
「次の陣痛がきたらいきむのでいいよ~」といわれていたけれど、
頭がでていたのがわかったのと、
腹式呼吸でお腹に力がいれられたので、 
自分の体感で、やっぱり、いきんじゃおう!と
最後はお腹に残った力で押し出した感じでしたが、
自分の力で出るように、生まれてきてくれました。


会陰切開はしたくないと思っていたけれど、
その場になれば「どうぞしてください!」という気持ちで。
ただ、思い切りいきんだのでさらに裂けちゃったみたいですが、
それも全然気にならず、むしろすぐに縫ってくれることが有難く、
それもいいよね~と委ねた気持ちで、やっぱりニヤニヤ(笑)
喜びと興奮でいっぱいでした。


夜までかかると思ってたけど、
朝8時半には生まれました!

時間が経っていたので、
赤ちゃんは全身が グリーンになっていました。
胎便が出ちゃったみたい!

「ちょっと苦しい時があったからかな?」
という話でしたが
特に感染もなく、
中には、肺とかにいってしまうことも
あるようなのですか
上手に生まれてきてくれました。

自分の身体の手綱を取る

美恵子さん
美恵子さん

自分で自分の体のことを知っていることが
大きかったようにおもいます。

わたしの母が妊娠前から身体の不調を整えるために
鍼灸のケアを受けていたんですね。
わたしも、、皮膚が荒れた時、頭痛の時、思春期の不安定な時など心身の様々な面で
幼い頃から鍼灸に助けてもらっていました。

治療をしながら とても楽しそうに
「ここを押すと、こうなるんだよ
ここはこういう反応があるんだよ」
ということを教えてくれる先生でした。

自分はここを押すとこうなるのか!
と、自分の手綱を自分で取っている感覚が、
幼い頃からあります。

世界中の女性が出産しに来る場所バリ島ブミセハット国際助産院を訪ねた

美恵子さん
美恵子さん

シンガポールに留学していた時、バリ島のウブドに、
助産院を見に行きました。


そこは世界中の人たちが、子どもを産みたいと言って、
産みに来る、有名な助産院なんです。

お金のない方、現地住民へ無償の医療提供で、
逆にお金をたくさん持っているような方からは
しっかりお金を取って
運営しているんです。
とくに赤ちゃんが生まれてくるときに、
愛することと信じることを学べるように、お母さんをたいせつにする助産院。。。

「世界平和のためには、生まれてくるすべての赤ちゃんが〈愛すること・信じること〉ができる環境で生み育てられる必要があり、そのために、赤ちゃんを産むお母さんが愛され、信じられ、自分を愛し、信じることができるような環境をつくる」という意味のことを
この助産院をつくったロビンさんが仰っている記事をみて、
幼児教育に興味があったけれど、
ほんとうに大切なのは子どもを育む環境のひとつである「お母さん」が
愛されることなのかもしれない、と直感的に思い、訪問しました。

施設に特別な設備があるわけではない。
では、なにがちがうのか?
スタッフさんの眼差しの大切さを感じました。

” 自分はこのままで最高なんだ。”
” このままの自分を表現すればいいんだ。” という
あたたかい自己肯定感を根底から支えてもらうような経験になりました。
(美恵子さんのFB投稿より抜粋)

そんな体験もあって、助産院への憧れもありましが、
いきなり助産院で産むよりも、
大きい病院で産みたい!
ってなりました。


妊娠が分かった時、
思わず病院へ電話をかけていました。
大きい病院で、どう自分らしく
出産できるのかな?ということに
チャレンジしてみたかったのかもしれません。


今回のお産で、
やっぱり産む場所はどっちでもいいんだな、
ということが腑に落ちました。

自分の無駄毛までも可愛い!って感覚!
自分自身を肯定することが大事なのかな。

日赤の助産師さんもすごく素敵な方で、
わたしがぐわーってなってた時も、
黙って腰を支えてくれました。

最大限に自分の身体を使うこと

美恵子さん
美恵子さん

自分で自分の体のことを知っていることが
大きかったようにおもいます。

お産の話を話すって大事ですよね。
自分のお産は自分で決めていい。
病院の言うことを聞かないといけない、
ということではないですよね。


これは妊娠出産に関わらず、
と思っています。


普段の 生活 食べ物 薬も大事なんだけど
それ以外にできることってありますよね。


夫は西洋医学を学んだ人なんだけれども
本人の暮らし 、
生きがい 、
人とのつながり、
そういうのが満たされて初めて、
体も満たされる
そういうことを大切にしている人です。

なので、
わたし自身の どうしたいかも しっかりと
尊重してくれている
のだと思います。


それから、
考え方だけではなく、
呼吸法、
お経をサンスクリット語で唱えるって事も
していました。

わたしの知人に
ちょっと変わったお坊さんがいて、
彼から東京で般若心経をサンスクリット語で唱える方法を教わったんですね。

それも呼吸法のひとつになりますし、
身の巡りを整える、
ちょっとした工夫なんですが、
ツボを押す、でもいいし
自分で呼吸や
ツボを整えたり、
根性論だけではない、
自分のいたわり方を知っているのは
大きかったです。

美恵子さん
美恵子さん

最大限に自分の体を使うこと 、
コツを知っているというのが
大切なのかもしれません。

他にも秋田のお産についてはこちら!

編集者より一言

100人のお産展、8月には秋田で展覧会を開催させていただくことになりました!
そこで、展覧会を主催してくださる助産院こころの小林かおりさんに、
秋田でのお産をシェアしていただける方を紹介してくださいとお願いして、
美恵子さんと繋がりました。

実はここ最近、プライベートの仕事が忙しくなったり、
子どものことでドタバタしていて、なかなか
100人のお産の活動に集中できなかったのですが、
改めて美恵子さんの話を聞いて、
やっぱりお産がすべての始まりであることを感じて、
わたし自身大いに励まされたのでした。

自己肯定感にあふれるお産!!
是非、沢山の方にご覧いただけたらと思います。

秋田でのお産の展覧会は、2023年8月4日・5日、秋田県三種町の松庵寺さんで開催します。
松庵寺祭りとの同時開催となりますので、きっと賑やかになります♪
(4日は、お祭りはないので、じっくりご覧になりたい方はこちらがお勧め!!)

美恵子さん、貴重なお話をありがとうございました!

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