出産体験談№72 これが自分のお産

助産院出産
この記事の見どころ

・助産師ママの赤ちゃん4者4様のお産体験。
・助産師ママらしい?!リアルで克明レポ!
・助産院との色々なかかわり方も紹介。
・望む形のお産ではなかったときでも・・

35歳第1子(長男/子ども4人)病院出産
36歳第2子(長女/子ども4人)助産院出産
38歳第3子(次女/子ども4人)病院出産
40歳第4子(次男/子ども4人)助産院出産
神奈川県 熊谷知子さん(助産師)

赤ちゃんが出来た!その時の気持ちは?

知子さん
知子さん

4人とも計画していた訳じゃなかったですが、
赤ちゃんがきた!
とうれしかったです。

夫との出会いは、お産の予約が少なくて
1ヶ月仕事がない!というときに
旅に行ったインド。
出会った翌年には来日して、秋には妊娠、
次の夏には子どもが生まれるという・・・
ここまであっという間でした。
そして今では6人家族。
4人とも、生まれるのが楽しみでした。

お産のイメージ

知子さん
知子さん

お産はどうなるかは分からないから、
これというイメージはなかったんです。

もともと自然なお産に携わりたいと思っていて、
東京の産院で働いた後に助産院に来ました。
自分自身が妊娠したときは、
お産はどうなるか分からないから、
これというイメージはなかったですが、
“ぎりぎりで(児頭が奥に見える位で)入院!”
という目標?イメージ?は
持っていました。

散歩やヨガをしたり、畑を耕したりいろいろ動いていたし。

でもお産は思うようには
いかないこともある・・・。
それでもやるしかないということですね(笑)。

お産のリアル第1子 自然の中の陣痛逃し

知子さん
知子さん

破水から始まり、陣痛もきて
いいところまで進んだのですが、
その後
なかなか進まず・・・

途中までは普通に陣痛もきて、
破水もしていたので
入院していいところまで進んでいたのですが、
途中から、
陣痛がお休みになるはずの間欠時も
お腹が痛くて力が抜けなかった。
すごく変な痛みでした。
骨盤と赤ちゃんの回旋(回り方)が
合いにくかったのかなと。


朝になるにかけて陣痛も弱くなってきて、
何とかお神輿(※)もしたけれど抜けてこず。

※お神輿 おみこし
お産中、赤ちゃんがいいところまで降りてきているけれど、
そ
の狭いところを抜けてこない!何かやらないと生まれない、
というときに取る
体勢。
陣痛がきたら産婦さんはパパにつかまってぶら下がり、
左右の足を助産
師2名がそれぞれ抱えて、重力も使っていきむ。

畑で夫につかまり陣痛をのがしている上の写真は、
たしか朝弱くなった陣痛を強くしようと、
畑を歩いていたときのものです。

後ろの畑の中には、助産院院長の弓子さん。
朝ごはんに使う野菜を収穫されています。(笑)

破水から時間も経っていて、
陣痛も弱くなっていたので、
やはり医療的介入が必要ということで病院へ。

赤ちゃんも元気だし
感染兆候もみられないということで、
その夜は自然に経過をみることに・・・。

痛いのに進まない陣痛に、
この夜は、「陣痛なくなれー!!」という気持ちで
耐えました・・・。

翌朝から陣痛促進剤の点滴を開始。
陣痛が強まってきて、
昼ごろ診察してもらいながらいきんで
子宮口が全開大に!

それでもまだ吸引分娩ができないくらい
高い位置のようで、、
「ここまできて帝王切開??」ということも
頭をよぎったけれど、
もう一息がんばっていきんでいたら抜けてきて、
最後は吸引もせず生まれてきました。


破水から時間が経っていたこともあってか、
出生後赤ちゃんが
なかなか泣かなくて
NICUの先生にきて処置してもらったりして、
赤ちゃんはNICUに5日くらい入院しました。

私は病院で2泊した後は
助産院に戻って過ごしました。
家に帰ってきたようにリラックスできました。

でも赤ちゃんが退院できるまでは、
おっぱいを1滴1滴しぼって冷凍して。
軽症だったから赤ちゃんの状態には
不安はなかったけれど、早く会いたかったです。


助産院でも色々やってもらい、
病院でもいろいろやってもらい、
最後までがんばれたと思います。

大変だったけれど、これが自分のお産。
幸せなお産でした。

お産のリアル第2子 お風呂の中の陣痛逃し

知子さん
知子さん

陣痛が来て、
散歩に行き、
お風呂に入りました。

このお風呂がとっても
気持ちよかった!!


お兄ちゃんが頭を撫でてくれています。

お風呂から上がって、
バスローブで出産。
つるん、じゃないけど、
平均的なお産、という感じ。

日中のお産だったこともあり、
人もたくさんでにぎやかでした(笑)


夫と上の子、助産師さんたちの他にも、
保育やお掃除スタッフ、
お産を控えた初産婦さんと、
にぎやかになりました。

ひっそりつるんと産めたらいいなー
とは思うのですが、
他の人が入るのもそんなに拒否感はないです。
何かの役に立ててもらえるならと。

仕事上、実習生の立会いを
産婦さんにお願いすることもあるのですが、
実際に
手を出したりサポートができないとしても、
“見物”はしないでほしい、
お産の場に入る以上は
常にサポートする側の意識で立ち会ってほしい
と思っています。


※日中産まれると
沢山の方が立ち会うことに
なるわけではなく、
そこはご本人のお気持ちが尊重されます。

お産のリアル第3子 病院で産む選択

知子さん
知子さん

卵膜付着が病院健診でみつかり、
病院で産むことにしました。

助産院でお産をする場合も、
20週までの健診と、中期、後期のポイント健診は
病院で異常がないか診てもらっています。
3人目のときはこの病院の健診のエコーで
※卵膜付着が分かり、
病院で産むことになりました。

※卵膜付着 らんまくふちゃく
へその緒が正常に胎盤実質とくっついていない状態です。
生
まれてから実際に胎盤を見て判明することもありますが、
重大な異常につなが
るリスクがある状態とされています。

夜中に陣痛が始まり病院へ。
いい感じの陣痛になっていたのですが、
そこからまた進まず。。。
1人目の時のような変な痛みに腰が引けながらも、
パパにつかまったり、
天井から下がっている綱につかまってみたりシャワーしてみたり。
子ども達が夜中からスタンバっていましたが、
進まないので、お父さんが寝かしつけたり、
朝になったら院内をお散歩したり。

朝になって「もう産みたいー促進剤お願いします、、、」
ということに。
促進剤を始めてやっと有効な陣痛がきました。
「促進剤は変に痛い」と聞くこともありますが、
私は自分の陣痛が「変に痛かった」ので、
促進剤ありがとうという気持ちです。

(でもこれが病院でなく助産院にいたら、
自力で何とか産めるようにもう少しがんばったのかも??)

卵膜付着のほうは、実際その通りでしたが
幸い、分娩時異常につながることなく
無事に生まれてきてくれて、
翌日、母子共に助産院に戻って
ゆっくり過ごすことができました。

お産のリアル第4子 みんなに見守れたお産

知子さん
知子さん

4人目。。。最初の最初は、
大丈夫かな、という思いがありました。

でもやっぱり赤ちゃんがくるというのはうれしいことですね。
妊娠経過は順調に過ぎ、
助産院で産むことになり、
明け方、陣痛がきて助産院へ。

お風呂に入ったり出たりしながら過ごして、、
それで陣痛が強くなって子宮口はほぼ全開大に。

でも齋藤さん曰く
「でも児頭は西アフリカにいる。。。」と!


何かしないと出てこないよということで、
最後はやっぱりパパにつかまってふんばって、
それで生まれました。


子どもたちも見守ってくれてたので
一緒にばんざいして写真をとりました。

産後の気持ち

知子さん
知子さん

生まれてよかった 。

振り返ってかける言葉

知子さん
知子さん

うーん、いまはまだ、思い付かない(笑)
もうちょっと
おばあちゃんになってからですかね(笑)

みんなには、
お世話になりました。という気持ちです。

満足するお産

知子さん
知子さん

助産師なので、
健診時は「こうやったらいいよ」って
言うけれど、
やろうとしてもうまくいかないことがあるよね。

赤ちゃんを感じながら産みました、
という言葉に
羨ましいな、と感じることもあります。

とはいえ、
自分のお産をポジティブにとらえるって大事。
例えば1人目のお産では、
陣痛の間欠時にも続くような
痛みが出てきていたり、
破水からも時間が経ってしまって、
あれはもう、病院に行く状況だったんだと思っています。
満足したお産にするには、
納得できることが大切だと思っています。

うまされた感じだった、と思うのか、
本当にここでいいのか等を含め、
自分で納得して
産めることが大事ですよね。

場所に関して言えば、
助産院で産めなくなった、
地域によって選べないところもあったり、
違うところに搬送っていうケースもありますよね。
そこで何ができるのか。

産婦さんは1人ではなくて、
見守る家族、
産まれてくる家族がいる。


できることを
その都度やっていくことが
大事だと思ってます

お空に還った第5子

あやぱん
あやぱん

実は、このインタビュー時に前後して、
知子さんの第5子の妊娠と、残念ながら、
流産ということがありました。
その時の話が、辛い中でも
家族にとって
とても大切な時間となったことを感じました。
シェアをお願いして、

今回記事にさせていただきました。

知子さん
知子さん

年末に予定日も決定して
週数も10週になり一安心していたところ、
年明けの受診で流産が分かりました。

初めての流産だったので
どのくらい自然に出てくるのを待てるのかなと思ったのですが、
幸い異常症状が出ることなく、
産婦人科の先生にもゆっくり待ってみましょうと言ってもらえて、
結局2月22日に3センチ弱の小さな赤ちゃんが出てきました。


一晩一緒に家にいて、
子どもたちと名前をつけて、
お手紙を書いて、
翌日みんなでお別れをしました。

抱っこしたかった、
おっぱいもあげたかった、
一緒に遊びたかった、
何もできなかったけれど、
みんな大好きだよーと、
家族みんなでお別れできてよかったです。

あやぱん
あやぱん

命が生まれる歓びの後の流産。
本当に辛かったと思います。
ですが、その時も、お産と同じように、
納得してお別れができると、
違うのですよね。
流産については、処置をしないで自然に待つ方が
母体にも精神的にもいいという話も聞きます。
知子さん、シェア、本当にありがとうございました。

編集者より一言

熊谷さんは齋藤助産院の助産師さんで、
わたしも1人目を取り上げていただきました。
過去に話をしてくださった方が偶然、
熊谷さんのご友人で、
熊谷さんがMY助産師としてお産に付き添った話もあり、
是非、熊谷さんの話も聴きたいと思っていて、
お願いいたしました。

ちょうど、展覧会で使える写真も探していたので、
この記事に関しては写真が先にお披露目となり、
記事は後追いで掲載しています。

特に大好きなのが自然の中で陣痛を逃す姿と、
院長先生の野菜を収穫する姿。日常の中にお産がある!!

助産院を希望していても、その時に事情でそうならない時もある。
そういう時の心持ちや、
病院で産んで、助産院で入院期間を過ごす方法など、
様々な方法を熊谷さんのお産で知ることが出来ると思います。
それから・・流産の話も聞かせていただきました。
家族と一緒に過ごした一晩は、
家族にとって大切な大切な時間だったと思います。
シェア、本当にありがとうございました。

熊谷さん、素敵なお産の話のシェアをありがとうございました!

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